復活節第4主日(2020年5月3日)
第一朗読 使徒たちの宣教(使徒言行録2.14a、36-41)
第二朗読 使徒ペトロの手紙(一ペトロ2.20b~25)
福音朗読 ヨハネによる福音(ヨハネ10.1~10)
「はっきり言っておく。羊の囲いに入るのに、門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者は、盗人であり、強盗である。門から入る者が羊飼いである。門番は羊飼いには門を開き、羊はその声を聞き分ける。羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。自分の羊をすべて連れ出すと、先頭に立って行く。羊はその声を知っているので、ついて行く。しかし、ほかの者には決してついて行かず、逃げ去る。ほかの者たちの声を知らないからである。」イエスは、このたとえをファリサイ派の人々に話されたが、彼らはその話が何のことか分からなかった。イエスはまた言われた。「はっきり言っておく。わたしは羊の門である。わたしより前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。
わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。その人は、門を出入りして牧草を見つける。盗人が来るのは、盗んだり、屠ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。わたしが来たのは、羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるためである。
<分かち合い>
今日は復活節第4主日ですが、福音のテーマは「良い羊飼い」です。イエスキリストはすべての人を神様へ導く良い羊飼い、牧者であるということをヨハネの福音を通して知らされています。今日は「召命祈願日」でもあります。これは1964年に、教皇パウロ6世によって定められました。ですから、今日は、人々を神様へ導くために司祭、修道者の召命のために祈ることも勧められています。
今日の福音書を振り返って見るとイエス様は自分が良い羊飼いであるとおっしゃいます。良い羊飼いとは、羊のために自分のすべてを捧げる飼い主のことです。当時は、イスラエルにおいて、一般の人にとっての主な仕事もきっと羊の世話をすることだったでしょう。偽物の飼い主もいたが、彼らが、怠け者で、羊の世話をするより、自分たちの利益を求めてその仕事をしていた人もいました。イエス様はここで、偽物である偽預言者のことも触れています。本当の羊飼いは羊のために自分のすべて、いのちさえも与えるほど羊を危険からまもるのだと。
イエス様は偽物の人々を指して、自分が本当の羊飼いであるとおっしゃったのです。そのしるしとしてイエス様は人を分け隔てなく、貧しい人にも、罪びとにも、高い地位にある人に対しても本当の神様の姿を示そうとして働きかけたのです。私たち信徒にとって、イエス様は本当の羊飼いであり、イエス様が私たちに必要な道を示してくださることを信じて日々過ごすことを求められています。教会は祈りの場であり、神を求め、そこで得たことを外に出て、実践する力とめぐみをいただく場所でもあります。今は自粛する中、お家で祈りするよう求められていますが、正常通りになったら、教会で、また共同体とともに信仰を深める機会を増やすよう努めましょう。
コロナウイルス感染のため、自粛を求められている中、家の中にいる時に、私たちに出来ることはなんでしょうか。それぞれの考えもあると思いますが、5月はマリアの月です。ロザリオを通してマリア様に祈りをささげ、困っている人々、不安にいる人々、また、退屈されている一人ひとりにこの試練を乗り越える力と勇気を与えてくださるよう祈りつづけることもその一つです。
良い牧者であるイエス様は、羊である私たちに必ず、正しい道を示してくださいます。祈りの内に過ごしましょう。
<教皇の「聖母月に、家でロザリオの祈りを」信者に宛てた書簡を紹介します。>
教皇フランシスコは、聖母の月である5月に、すべての信者に宛て、ロザリオの祈りを促し書簡をもって、信者たちの祈りを助けるために、二つの祈りを提案しています。
「親愛なる兄弟姉妹の皆さん
五月には、神の民は特別な熱心さをもって、おとめマリアへの愛と崇敬を表します。家において、家族で唱えるロザリオの祈りは、この月の伝統となっています。パンデミックによる強いられた状況により、はからずも見出されたこの家庭の価値は、霊的な観点からも認められるものです。
こうしたことから、わたしはすべての皆さんに、この五月、ロザリオの祈りの素晴らしさを家で再発見するよう、おすすめしたいと思いました。ロザリオを一緒に唱えても、あるいは一人で唱えてもいいでしょう。どちらの可能性も大切にしながら、その時々の状況に応じて選んでください。いずれにしても、ロザリオの祈りをするには秘訣があります。それは、単純さです。もう一つは、祈りを行うための良いパターンを見つけることです。
さらに、わたしは皆さんに聖母に対する二つの祈りを用意しました。これらをロザリオの終わりに唱えることができるでしょう。わたし自身も、皆さんと霊的に一致して、五月にこれを唱えたいと思います。皆が唱えられるよう、この二つの祈りをこの書簡に添えたいと思います。
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、キリストの御顔を、マリアの心をもって共に観想しましょう。わたしたちの母であるマリアは、わたしたちを霊的家族としてより一致させ、わたしたちがこの試練を乗り越えられるように助けてくださるでしょう。わたしは、最も苦しむ人をはじめ、皆さんのためにお祈りしたいと思います。皆さんもどうかわたしのためにお祈りください。心からの感謝と共に、皆さんに祝福をおくります。」教皇 フランシスコ
聖母への祈り1
マリアよ、
あなたは救いと希望のしるしとしてわたしたちの歩みを照らしてくださいます。
あなたに病者たちの健康を託します。あなたはイエスと苦しみを共にされ
揺るがぬ信仰をもって十字架の下に留まられました。
ローマ人の救いである、マリアよ、あなたはわたしたちの必要を知り
それに配慮してくださることをわたしたちは確信しています。
ガリラヤのカナでの出来事のようにこの試練の時を経て喜びと祝祭が戻りますように。
神の愛の御母よ、助けてください。
わたしたちが御父の御旨にかなう者となりイエスがお命じになることを行えますように。
イエスはわたしたちの苦しみを引き受けわたしたちの苦悩を自らに背負われました。
十字架をとおしてわたしたちを復活の喜びに導くために。
アーメン。
聖なる神の御母よ、
あなたの御保護に寄りすがり、御助けを求めます。
試練の中にあるわたしたちの祈りをさげすまないでください。
栄光ある、祝福されたおとめよ、わたしたちをあらゆる危険から守ってください。
聖母への祈り2
「聖なる神の御母よ、御保護に寄りすがり、御助けを求めます。」
全世界を揺さぶる、この苦しみと不安に満ちた劇的状況の中で、神の御母、わたしたちの母よ、あなたの御保護に寄りすがり、御助けを求めます。おとめマリアよ、このコロナウイルスの拡大の中で、わたしたちにいつくしみ深い御まなざしを注いでください。愛する者を亡くし、ぼう然とし、悲しむ人々を慰めてください。これらの亡くなった方々は、時には痛ましい方法で埋葬されました。感染防止のために病者のそばにいられず、苦悩する人々を支えてください。不確かな未来と、経済と仕事への影響のために、不安の中にいる人に信頼を与えてください。
神の御母、わたしたちの母よ、わたしたちのために、いつくしみ深い御父にお祈りください。このつらい試練が終わり、希望と平和を再び未来に見出せますように。カナであなたがそうなさったように、神なる御子にお願いしてください。患者や犠牲者の家族を励まし、彼らの心を信頼へと開いてくださるようにと。
医師や、看護師、医療関係者、ボランティアたちをお守りください。彼らはこの危機の中第一線に立ち、他の人々のいのちを救うため、自分のいのちを犠牲にしています。彼らの英雄的な努力を支え、彼らに力と愛と健康をお与えください。
朝晩、患者を見守る人たちや、司祭たちに寄り添ってください。彼らは、司牧的配慮と福音的努力のために、皆を助け、支えようとしています。聖なるおとめよ、科学者たちの精神を照らし、このウイルスに勝つための正しい方法を見出させてください。
国々の責任者たちを支えてください。彼らが賢明と配慮と寛大さをもって、生活の必要に事欠く人々を助け、先見の明と連帯精神のもとに、社会・経済的解決策を計画できますように。至聖なるマリアよ、軍備拡張と増強のための莫大な費用が、未来の同様の災害を防止するための正しい研究促進に向けられるよう、彼らの良心に触れてください。愛する御母よ、すべての人を結ぶきずなの自覚のうちに、わたしたちがただ一つの大きな家族に属しているという意識を、世界に育ててください。わたしたちが兄弟愛と連帯の精神をもって、多くの貧困と悲惨な状況を助けることができますように。信仰に固くとどまり、忍耐強く奉仕し、絶えず祈ることができますように。
苦しむ人の慰め手なるマリアよ、試練にあるあなたのすべての子らを抱擁し、神がその全能なる御手をもってわたしたちをこの恐ろしい感染症から解放してくださり、そして、わたしたちが安心のうちにいつもの生活を取り戻せるよう、どうか神にお祈りください。
わたしたちは、あなたにより頼みます。あなたはわたしたちの歩みを救いと希望のしるしとして照らしてくださいます。いつくしみ深き、慈悲あふれる、優しきおとめマリアよ。
アーメン。