2021年2月14日 ビジュ神父様 メッセージ

第一朗読 創世記3・16-19

 

16 神は女に向かって言われた。

「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。

 お前は、苦しんで子を産む。

 お前は男を求め

 彼はお前を支配する。」

17 神はアダムに向かって言われた。

「お前は女の声に従い

 取って食べるなと命じた木から食べた。

 お前のゆえに、土は呪われるものとなった。

 お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。

18 お前に対して

 土は茨とあざみを生えいでさせる

 野の草を食べようとするお前に。

19 お前は顔に汗を流してパンを得る

 土に返るときまで。

 お前がそこから取られた土に。

 塵にすぎないお前は塵に返る。」

 

第二朗読 一コリント10・31〜11・1

 

10・31〔皆さん、〕あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現すためにしなさい。32ユダヤ人にも、ギリシア人にも、神の教会にも、あなたがたは人を惑わす原因にならないようにしなさい。33わたしも、人々を救うために、自分の益ではなく多くの人の益を求めて、すべての点ですべての人を喜ばそうとしているのですから。11・1わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

 

福音朗読 マルコ1・40-45

 

40〔そのとき、〕重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります。」と言った。41 イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、42 たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。43 イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、44 言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」45 しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

 

 

分かち合い

 

 今日は年間第6主日を祝います。今日もイエス様が病気で苦しんでいる人に癒しを通して希望と喜びを与える福音箇所が読まれます。今日の福音の中の「重い皮膚病」の方はすごく差別されていたことがレビ記の規定から想像できます。

 「重い皮膚病にかかっている患者は、衣服を裂き、髪をほどき、口ひげを覆い、『わたしは汚れた者です。汚れた者です』と呼ばわらねばならない。この症状があるかぎり、その人は汚れている。その人は独りで宿営の外に住まねばならない」(レビ13章45-46節) 。

 つまり皮膚病は汚れがうつると考えられていたようです。だからこそ、皆から離れて、暮らさなければならなかったのです。当時の人々がどの病気も神様からの罰であると考えていたようです。つまり病気は神と人間に嫌われる存在であったと考えていたのです。皮膚病の方は神との関係も人との関係も完全に絶たれてしまった方だったのです。完全に社会から除外されていたこの皮膚病の方の肉体的、精神的苦痛はどれほど大きかったのでしょう。そのような人がイエス様によって、慰められ、癒され、希望が与えられるのです。コロナ感染で自由を奪われた私たちも精神的な苦労に追われ、自由に動くことができなく、もう限界を感じていることでしょう。

 

 医療が充実している今も、感染を恐れて、お互いの接触もできない中にいる私たちですが、皮膚病の人のように、イエス様に同じ言葉「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と叫びたいです。イエス様は彼に触れ、その病気を治しました。イエス様にとって大切なことは神とのつながり、人とのつながりを大切にすることでした。イエス様は目の前の苦しむ人との出会いの中で激しく心を揺さぶられ、その人を助けます。それはただ単に肉体的な病をいやすだけでなく、人々との絆を取り戻そうとしていたと言うことです。この皮膚病の人がイエス様によって癒され、彼の病気が治ったということを祭司によって告げられることによって、彼が普通の生活に戻ることが出来たのです。

 イエス様がこの病気の人を癒したことは私たちに、人間の本当の癒しは、どんなことがあっても、神との繋がり、人とつながりのなかであるのだということを教えてくださっています。そのつながりとは、祈りやお互いに思いやることを通して実現できるものだと考えられます。強いて言えば、私たちの信仰は、単なることで揺らぐことがないものであってほしいです。イエス様からの癒しはコロナ感染で亡くなった方々、不安の中にいる方々、また、神と人との繋がりを失った人々の上にありますように祈りましょう。