「主の昇天」
皆さん、今日私達は主のご昇天を祝います。使徒言行録によると、復活したイエス様は40日に渡って弟子達に姿を現した後、天に召し上げられました。そのようなことから、主の昇天の祭日は復活祭後40日目の復活節第6木曜日に祝われることになりました。ただし、日本のようにキリスト教国でない国では日曜日(復活節第7主日)に移して祝われています。
今日の福音は「昇天」です。イエス様はご昇天に先立って弟子達に聖霊が降ることについて語られました。そして教会に聖霊降臨が告げられ、聖霊の働きによって弟子達は力を受け、イエス様の証人となり、福音を全ての人に宣べ伝える使命を与えらました。
イエス様は弟子たちが見ている前で、昇天されました。つまり、「神の世界」に移っていかれたのです。それまでと同じようにイエス様と出会うことはできなくなりましたが、弟子たちは「信仰の目」でいつもイエス様を見ながら、迫害にも耐えて、勇敢に使命を果たしたのだと思います。
イエス様は繰り返し弟子たちに「信じなさい」と諭されましたが、この御言葉を私達にも問いかけています。いつまでもイエス様の助けを待ち続ける姿であってはいけません。「ガリラヤ人よ、なぜ天を見つめて立っているのか」。イエス様に慰められることを求めて、この世での仕事から逃げてはいけません。私達も弟子たちのように、キリスト者としての使命を果たす為に、祈りと共に行動して、「信仰の目」で常にイエス様と向き合って生きていきましょう。
今日のアレルヤ唱をもう一度味わってみてください。イエス様は弟子達に言われました。「全世界に行き、全ての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。」イエス様の創られた教会、この吉祥寺教会にも、イエス様は私達と共にいてくださいます。もう一度皆さんの「信仰の目」がちゃんとイエス様に向いていることを確認して頂きたいと思います。
ところで、この2年間コロナや戦争、飢餓(きが)や温暖化(おんだんか)の影響で沢山の人々が涙を流しました。その涙を集めたら、絶望(ぜつぼう)の海(うみ)が出来たかもしれません。その絶望の海で今この時も人々が命を失っていることを想像(そうぞう)して頂きたいと思います。どうぞ皆さん、憐れみや、慰めを求める多くの人々に思いをはせてください。聖霊で満たされているこの教会で、ご一緒に心を合わせて世界平和のために祈りましょう。