主のご復活（２０２３年）ヨハネ２０:1-９
主のご復活おめでとうございます。私たちは、今日までの４０日間は祈り、節制、施しを通して、イエス様の荒野での４０日を思い起こし、受難を黙想し、準備してきました。イエス様のご復活は、神様は私たちを見捨てることがないことを約束してくださることのしるしです。そのイエス様の復活は私たちの希望と喜びです。私たちも同じくキリストを信じることによって、神様の栄光に招かれているという希望と喜びです。
さて、昨日の復活徹夜祭の朗読は、神の救いの計画について語っているものでした。選ばれた民族ユダヤ人の救いとイエス様の名によって洗礼を受けることによって、罪という死から解放され、キリストによって永遠に生きるものとなり、真の救いに与るという救いの計画についてでした。また、福音は復活したイエス様と出会う婦人たちについて書かれています。そこでこの婦人たちにガリラヤで弟子たちとお会いすることを約束するのです。弟子たちに逃げられたにもかかわらずイエス様は彼らに何の恨みもなく、早く会いたいとおっしゃるのです。今日のヨハネ福音にはこの婦人たちが見たことを弟子たちに伝え、慌てペトロとヨハネの二人の弟子が墓に行って、墓が空であることを見て、この婦人たちの言葉を信じた。つまり、イエス様がそこにはいなく、ガリラヤへ向かっているということを信じたことでしょう。
まだ、イエス様の十字架までの苦しみと十字架での死は生々しく残っている中で、婦人たちも弟子たちも、イエス様が復活することの意味が理解できないままでしたが、おそらく、イエス様に会えるという喜びを他の方々につたえることに精一杯だったでしょう。
イエス様に会えるということを心に思ったこともなかったでしょう。これがイエス様と出会う人々が体験することです。全ての利己心を無にしてイエス様をひたすら探すときに与えられる喜びです。キリスト者として、気が付かないうちに身に付くその喜び、何となく、キリスト者だけが味わうイエス様との絆は、今日もこの復活祭を祝う私達が体験しているのです。でもその喜びが実現するためにはガリラヤへの出発が求められているのです。イエス様にとっての宣教の出発はガリラヤで始まりました。私たちは体験するイエス様との喜びは私達にとってのガリラヤである日常生活のことです。私達の日常生活のさまざまな出来事の中で、何気なく身についていくイエス様との絆の喜びを通して、日々の生活を豊かにしていくこと、これがキリスト者として大切です。
さて、この３年間は、私たちは、コロナ感染症によって苦しめられ、時には絶望を覚えたこともあったでしょう。コロナ感染前のような教会の活動にも制限がかかり、何より、人の命を守るためにとるべき対策をとってきました。だからこそ、今の私達がいるのです。ある意味では、この復活と共に、コロナ感染から解放されたことを大きな喜びとして迎えていることでもあります。
教会共同体の従来通りの活動ができないため、教会とのつながりが途絶えてしまうだろうという恐れもある中、限られた選択肢で、情報を提供しながら、一人ひとりに寄り添って歩んできました。この３年間の教会委員をはじめ、司祭団のみなさま、それぞれ信徒のみなさまに感謝を申し上げます。
これからも教会が新しいことに挑戦しながら信仰共同体として、次の世代を育つ義務があります。ぜひ、みなさまの協力をいただき、豊かな教会共同体として、聖霊の導きによって時のしるしを読み取りながら前向きに歩みましょう。
コロナ禍のこの３年間荻窪教会の管理者として、吉祥寺教会の私にまかされていましたが、私ができない時には、フック神父、ボスコ神父、荒田神父、アンディ神父と私が交代でこの３年間、皆様と関わることができました。みなさま、マスク姿の３年間でしたが、吉祥寺教会司祭団としてこの出会いに感謝いたします。これからも荻窪教会は地域に貢献できる共同体でありますように。
主のご復活おめでとうございます
Biju Kizhakkel