2023年5月14日 浦野神父様メッセージ

 気がつけば今日は「復活節第6主日」で、もう来週の日曜日は「主の昇天」です。今日の福音は、先週の福音に続くヨハネ福音書14章の最後の晩餐でのイエスの言葉です。

 

 ヨハネ福音書は13章から最後の晩餐が始まります。弟子たちはいつもと違うイエスの振る舞いと言葉に戸惑っています。自分たちの足を洗い、自分たちのうちの一人の裏切りを予告し、ペトロの離反について言及し、不安と戸惑いの中の弟子たちに「心を騒がせるな。神を信じなさい」(14:1)と呼びかけ、先週の福音個所、今週の福音へとつながってきました。

 

 弟子たちの動揺する姿と対照的に、イエス自身は揺るがない姿を私たちに示しています。今日の箇所には、なぜイエスが揺らぐことなく振舞っているのか、その根拠が語られています。「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる」(14:16)。イエスは「父」と「別の弁護者(聖霊)」に対する絶対的な信頼のうちにおられます。同時に、弟子たちに対する信頼も持ち合わせておられる方です。弟子たちは、最後の晩餐の後、イエスの十字架に背を向けることになります。それはイエスにとって当然のことであり、その上で弟子たちへの信頼を保っている、それが最後の晩餐のイエスの姿です。それはあたかも、最後の晩餐まで来れば大丈夫と言っているかのようです。弟子たちへの信頼は、私たちにも無関係ではありません。自分自身を振り返ると信頼に値しないと思わざるをえません。それはあなたの判断で、私の判断とは違うとイエスは主張しています。イエスの信頼に応えるために、私たちに求められていることを問いかけながら、一週間を過ごしてまいりましょう。