「三位一体」の主日
(神が御子を遣わされたのは、御子によって世が救われるためである)
先週の聖霊降臨の主日で復活節は終わりました。聖霊降臨を祝った私たちは、イエスの弟子としてそれぞれの生活の場へと派遣されていきます。「王であるキリスト」の主日まで、この年間の季節は、キリストとともに歩む、キリストに遣わされた者としての使命を生きる信仰の旅と言えます。今日の三位一体の主日は、そのような信仰の旅を歩む私たちがいつも立ち返り、常にそこから新たに出発すべき私たちの信仰の旅の言わば、補給基地を指し示しているように思えます。弟子たちを派遣するにあたり、イエスは「全世界に行って、福音を宣べ伝え、父と子と聖霊の名によって洗礼を授けなさい」と言っておられます。ここに私たちの信仰の旅の原点があり出発点があります。弟子たちから始められた教会の宣教によって、私たちは皆父と子と聖霊のみ名によって洗礼を受け、信者となりました。洗礼によって私たちは、この身に父と子と聖霊のみ名を刻まれた者となり、父と子と聖霊の神の子らとされたのです。その時以来、私たちの全ての祈りは、父と子と聖霊のみ名を呼ぶことによって始まる祈りとなり、私たちが受ける神からの祝福は、父と子と聖霊のみ名によって与えられるものとなりました。今日の三位一体の主日、私たちが洗礼によってこの身にいただいた、父と子と聖霊の愛のいのちへの招きを、あらためて味わう喜びの日としたいと思います。
辻 茂 神父